岩ケン渡辺君のこと　12月 9日

　岩ケンは俺らに取ってブースターの様な人だ．
彼は，学校のIQテストでは、教師も舌を巻く程の数字を出して来る．　きっと勉強をすれば、一気に成績も上がるのだろうが彼自身が勉強する気が全く無く、
その聡明な頭を俺達と遊ぶ事に一生懸命使っていた．

　誰かがどっかからかんしゃく玉の作り方を覚えて来た。　駄菓子屋で売っている、爆竹を加工して作るのだが、岩ケンが作り方を進化させて俺らはだんだんエスカレート。　
この時代上には学生運動が有りみんなこの手の事には憧れを少し持っていたものさ。　爆弾も作れたら作りたいと思っていたくらいだよ．
ある日誰かがゴルフボール位の大きなかんしゃく玉を作って来たのさ。
これは、俺らの力じゃ非力すぎて上手く鳴ってくれなかった。　
で、野球部のピッチャーを呼んで来て投げてもらったのさ．
すごかったね〜　バンとかパーンとかの軽い音じゃないんだよ．
ヅガーンって、腹に響く音さ．　校舎の裏から全校に響き渡ったと思う。
そこで走り出て来たのが昨日の担任でも、俺達は蜘蛛の子をちらす様にもう雲隠れさ．　ハッハッハ
このかんしゃく玉も、急速に終わったな〜　最後を閉めたのはやっぱり岩ケン
ある朝、のっぺら坊の顔で、学校に現れ理由をただすと、かんしゃく玉を最後に締めようとペンチで締ぼったら、目の前で爆発 !!!!　　眉毛全滅でした。

　中3の夏休みは受験なにそれ？毎日の様にみんなで自転車に乗り海に。
それも、片道近い所で 20Km 遠い所なら 50Kmは有に走ったな〜
で，その走ってる途中でトウキビ畑があり、毎日同じ畑で何本かジッテたんですよ．
“ジルって言うのは、黙って持って行くの方言です。”　
同じ畑だから、持ち主のおじさんも怒るってもんですよ。悪いのはこっちです。
ある日立て札が畑に立ったんのよ。
この先地雷原近寄るな！って
良いおじさんだよね。　その畑には二度と入らなかったですよ．　俺達は。
そうそう、この夏どうしてこんなに走ってたかと言うと、素潜りが流行ってたんですよ。　
俺達の間だけでね。やっぱり一番魚を突くのが上手いのも岩ケンでしたね．
　

　高校生になった俺達は一緒のバイトビル掃除をやってました。
俺岩ケン渡辺君の3人は　1チームになり仙台市役所や保険屋さんのビルの
夜間掃除や、休日のワックス塗りの半分プロになっていたのです．
ポリッシャーは、こう回しますねんで　とか、スクリッパーは、密着度が物を決めるんじゃとか、いっぱしの口聞いてましたよ．
　

なんで始まったか忘れたけど、ネームブローチ売りもやってたな〜
当時、よく見たでしょ。道端でアクセサリーを売ってるのを。
あれを放課後やってたんだけど、どっから見てもきっと本物でしたよ．
岩ケンは腰位の髪俺は肩ぐらいだな〜　渡辺君は髭でしたね。
あれは 40cm位の言ってみれば 10円もしない針金が名前に加工すると 400円ですからね、
高校生にはたまらんバイトだったんです．　人と話するのも面白かったしね．放課後ヒッピーですよ．
高校生のこの時代が一番小遣いを持ってたかも知れないな。

　夏の花火なんて思いっきり金掛けて遊んだと言えるね。
海に行って牛乳瓶の口にゆるゆる程度にロケット花火を入れるんですよ。
その下にドラゴンを一個これに火をつけるとさぁ打ち上げです。
きれいな物ですよ〜　一気に　ロケット花火が減って行きますけどね．
お金をかけなくてもきれいに遊ぶ方法も有りますよ。これもみんなで考えたのですけどね、
ガソリンスタンドで，4Lのオイル缶にガソリンを入れてもらって買ってくるんです。
これの底に釘で穴を開けて誰かが持って走るんですよ。その後こぼれたガソリンに点火これはきれいですよ〜　
走った通りに火も走ります。鬼ごっこだって出来ますよ．

　いつもは　この時期一人でこの二人の事を思い出してるんだけど、
今年はみんなに聞いてもらって、俺もうれしいし二人も喜んでるだろうな。
二人の墓には行けないけどこれも供養だね。　
皆さん聞いてくれてありがとう。

　　　　　　　　　　　　　　　　昨日のjalan-jalan

　　　　　　　　　　　　　　“4520m” 　　　“5800歩”

　　　　　　　　　　　　　　　かかってた曲　　(GReeeeN)

　　　　　　　　　　　　　　　　　 ( 朝ダチとの約束）